患者さんを安全にチーム運営

ある病院でこんなことを言われたことがあります。
「先生がたは、時には30時間以上の連続勤務があり、本当にくたくたになっている。その先生方に、接遇応対の研修をするのはどうしたものか?もっと興味のある研修をして欲しい。大体接遇応対研修は一度訊けばわかるのだから」と。
こう言われると、看護師は忙しくないのか、他の職種はどうなのかと言いたくなります。外部の私でさえ「ちょっと変だな?」と思うのですから、内部の職員が聞けばどのように思うでしょうか?
そして本当に一度聞けば、医師は接遇応対ができるようになるのだろうか?という疑問が沸いて来ます。

 すでにこの時点で、院内のコミュニケーションが滞っています。この医師の心の中には、 「医師は治療の最前線にいて、文字通り骨身を削って患者さんの治療をしているのだから、少しくらいは大目にみてよ」 という気持ちがあったのかもしれません。確かに良くわかります。おっしゃる通りです。しかし、何かあれば、患者さんは許してくれません。

 院内のコミュニケーション不足は、患者安全のためにも必須であり、医療従事者の身を守る大きな武器になると思います。
だからこそ、お互いの職種をリスペクトし合い、思いやりながら業務に当たる事が必要になります。

この講座は、院内の職員同士の円滑なコミュニケーションの取り方について言及しています。院内でできれば、患者さんに対してもきちんとしたコミュニケーションが取れます。院内だからと甘えることなく、チームとして業務に当たる事が、患者満足度だけでなく、職員満足度向上に繋がるものと信じています。