コミュニケーションツール マニュアル

マニュアルは院内のルールブックであると共に、院内に病院の姿勢や方向性を示す「コミュニケーションツール」として位置づけられます。
「マニュアルなんて」とよく言われます。「マニュアル」は「行動を規制する」ツールではなく、むしろ「行動を明確化し、業務に専念する」ためのツールという位置づけなのです。
しかし、色々な人が病院で働いています。全員に病院の理念と、共通した患者に対する取り組みを浸透させるためのツールが必要です。

 ましてや、医療サービスは、医療従事者を通してのみ提供出来るサービスです。そのサービス提供者の意識がマチマチでは、患者満足度向上どころか医療安全の面においても不安定になります。そして、たくさんの職員が24時間交代で、連続的なサービスを提供しています。
その意味からみても、院内のメッセージとルールブックとしての、「マニュアル」が必須のものとなるのです。

 コミュニケーションを円滑にするためには、お互いの職種がリスペクトしあうことが重要です。
医療機関では、医師が偉く、他の職種と比較して一段高いところにあるように扱っているところが多いようです。
 実際私達が「患者応対研修」に行っても、医師の参加率は極端に低いです。医師が率先して参加している病院は、概ね患者応対スキルが高いようです。
接遇委員会の方からよく研修の相談を受けます。その際に「医師が参加してくれないのです」「医師は別にしています」という不満をよく言われます。その時に「医師の患者応対は良いのですか?」と質問すると、その多くは、苦笑いしながら首を横に振ることが多いようです。
要するに職員は、患者応対について、医師に期待をしていないのです。そのような職員の気持ちを医師はわかっていません。
医師が参加しないのは、はっきり申し上げれば「医師の甘え」です。当初私は、「医師の傲慢さ」から出ていると思ったのですが、どうも違うようです。
医師の患者応対については、別の理由があると思います。